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■花束 [私の昭和30年代]

■花束

これは僕の子供の頃の話。
『昭和30年代、僕はまだ小学生だった。』

その頃の僕といえばもの凄く引っ込み思案で、すごい恥ずかしがり屋でした。勿論今でもそうなんだけど当時は筋金入りだったのです。
ある登校時の朝、母に「先生に渡しなさい」と綺麗な花束を渡されました。こういうのが本当に苦手なのです。だって普段と違う物を持っていると目立つ、それが花束だから余計に目立つ、僕は目立ちたくない、なぜなら恥ずかしいからです。それも花だから余計に持って行きたくない。花は男が持つようなものじゃないと変なプライドがありました。
嫌がる僕に母は強引に僕に花束を渡しました。
学校まで徒歩で10分もかからないのに、その日は花を持っているせいで余計にみんなの目が気になります。クラスの子に合わないようにとドキドキしていましたが、クラスの子に合わないはずもなく、女子に「綺麗ね」などと言われると、なんだか恥ずかしさが増すってものです。とにかく嫌々持って行きました。途中で花を引きずったりしつつ、花を散らしつつ、学校へ向かったのでした。
とにかく先生に渡すことさえ気恥ずかしい。男が花を持ってカッコいいはずないでしょ!もう恥ずかしいじゃないかと思いつつ「お母さんが先生に渡せって」と、そそくさと先生に渡して、ダーッと朝礼に向かいました。
こういう普通の子には何ともないことが、どうにも嫌いで勇気が必要な僕だったのです。
朝礼が終わり教室に戻ると、僕の持って来た花は綺麗に花瓶に活けられて教壇に置かれていました。先生はちゃんとクラスのみんなに「これは山田くんが持って来てくれました」と説明するから余計に恥ずかしい。
「ええっ、余計なこと言わなくても」と僕は思ったのですが、クラスのみんなは拍手してくれました。みんなの暖かい拍手に「あ、なんか良いことしたのかな、僕って」と思うと、花を引きずりつつ嫌々持って来たのはちょっと失敗したなと思いました。なんだか気恥ずかしいという感じはあったけど、みんなに喜ばれるっていいなぁと心の中では思っていました。
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